新築の完成イベントに人が集まりにくくなる中、すでに施主が暮らしている家を見せる「OB訪問」が注目されています。生活感のあるリアルな空間は、総合展示場にはない高い説得力を持っています。
検討中のお客様にとって、実際に住んでいる人の生の声はどんな営業トークよりも響きやすいものです。施主との良好な関係性をアピールする絶好の機会となり、競合他社との差別化につながる要素のひとつです。
OB訪問を成功させるための課題は、施主へのお願いに対する心理的なハードルです。見ず知らずの人を家に上げるのは負担が大きく、頼み方を間違えるとこれまでの信頼関係を損ないかねません。
快諾していただくためには、依頼するタイミングと納得感のある謝礼のルール決めが重要です。工務店の利益を圧迫せず、施主も喜んで協力してくれる具体的な仕組みを見ていきましょう。
見学のお願いは、数年後になって突然連絡するのではなく、引き渡しのタイミングで事前にお伝えしておくのが基本です。広告費を削って家づくりに還元している自社の姿勢を真っ直ぐに伝えます。
「豪華な展示場を作らない分、〇〇様のお家を丁寧に建てる予算に充てています」と添えるのがコツです。「もし家づくりに悩む方がいれば、少しだけ見せていただけませんか」と打診し、心の準備をお願いしておきます。
謝礼は高額な現金を毎回包むと経営の負担になり、施主も気を遣ってしまいます。そこで、訪問時と成約時の二段階に分けた謝礼システムを導入すると効果的です。
見学1回につき、お掃除代やお茶代という名目で5000円程度のギフト券をお渡しします。そして、見学者が実際に本契約に至った場合のみ、追加で1万円から1万5000円分のお食事券や宿泊券を郵送する仕組みです。
現金ではなく体験ギフトを贈ることで、施主もご褒美として受け取りやすくなります。工務店側も成約時の広告費として割り切れるため、双方が無理なく続けられる形と言えるでしょう。
見学当日は、営業担当がずっと横についていると、お客様は遠慮して本当の疑問を口にしにくくなります。施主も営業マンの目を気にしてしまい、表面的な会話だけで終わってしまうことが多いです。
そこで取り入れたいのが、見学の途中で営業担当が意図的に席を外すテクニックです。第三者の介在しない空間を作ることで、見学者と施主の距離がぐっと縮まります。
見学開始から30分ほど経過したタイミングで、「次回のお打ち合わせ資料を車で整理してきますね」と伝え、あえて10分間ほど施主と見学者だけの時間を作ります。
このわずかな時間で、見学者は「追加費用はどのくらいかかりましたか」「契約後に態度は変わりませんでしたか」といったリアルな本音の質問をぶつけることが可能になります。
信頼関係がしっかり築けていれば、多くの施主は「誠実に対応してくれましたよ」と工務店を代弁してくれるでしょう。この一言が、営業マンが何度も説明するよりも効果的な後押しになります。
OB訪問を効果的な施策にするためには、大前提として施主自身がその家に満足し、安心感を抱いて暮らしている必要があります。とくに地震への不安や、冬の寒さといった日々の不満は大きなマイナス要素です。
広い吹き抜けや大開口の間取りを採用した場合、強風や地震で家がミシミシ鳴ると、施主は見学者に構造の強さを自信を持って語りにくくなります。デザインと安全性の両立が、紹介を生む重要なポイントです。
構造計算(許容応力度計算)を全棟で実施し、大空間でありながら耐震等級3を科学的に担保するSE構法などを採用していれば、施主は日々の暮らしの中で安心感を実感しやすくなります。
「大地震のニュースがあっても、この家なら夜もぐっすり眠れるんです」という実感のこもった言葉が、検討客の心を動かします。当メディアでは、安全な木造住宅を実現する耐震工法について一覧で比較紹介しています。


先細りしていく住宅市場において、工務店・住宅会社が利益を確保するためには、何を武器に自社の強みを打ち出していくのか、他社とどう差別化していくのかを明確にし、施主にアピールすることが重要です。ここでは、工務店が加盟できる耐震性に優れた工法を提供している会社の中から、加盟店数が多かった支持されている3社を紹介します。