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住宅工法の事例

ここでは、耐震性能に優れた住宅工法である耐震工法にはどのような種類があるのか、耐震工法の種類ごとに、それぞれどのような施行事例があるのかをご紹介していきたいと思います。

ひと口に耐震工法と言っても、どのような方法で耐震性を高めているかは、それぞれに特徴や特性があります。工法ごとにどのような強みがあり、それゆえどのような施行事例を実現できるのか、気になるところではないでしょうか。様々な事例をピックアップしましたので、ぜひ参考にしてみてください。

SE構法で建てた住宅の事例

画像引用元:株式会社エヌ・シー・エヌ(https://www.ncn-se.co.jp/se/gallery/201005nozomihome)

SE構法は日本古来の木造建築工法である在来軸組み工法をベースとしながら、強度や品質に優れた構造用集成材を用い、また柱と梁などの接合部分をSE金物で補強するという方式によって、耐震性能を高めています。

それゆえ、在来軸組み工法が本来持っている、間取りや外観デザインの設計自由度の高さというメリットを活かしながら、必要以上に柱や梁、筋交いなどを増やさずとも、耐震性能を高いレベルで実現できるのが大きな強みとなっています。

画像引用元:株式会社エヌ・シー・エヌ(https://www.ncn-se.co.jp/se/gallery/201601ntek)

つまりSE構法は、高い耐震性能を実現しながら、室内レイアウトを自在に配置できるというのが大きな魅力となっています。例えば、開放感に満ちた拭き抜けを広く設けたり、大型の窓や開口部を設置するといったことも、ハードルは低くなります。

また部屋の一部にスキップフロアや小上がりスペースを設けたり、屋根裏にロフトスペースをといった遊び心のある演出も思いのまま。元々の建物強度が高いため、柱や梁を増やさずとも、趣向を凝らした間取りが実現できるのです。

画像引用元:株式会社エヌ・シー・エヌ(https://www.ncn-se.co.jp/se/gallery/202011hauso)

もうひとつ、SE構法は室内レイアウトに加え、外観デザインの形状の自由度も大きく高めてくれます。例えば、一般的な建築工法では建物の耐震性が低下してしまう原因とされる、オーバーハングやセットバック、あるいは1階フロア部分を大空間のガレージにするといったことも、建物自体の強度を高めているので、可能性を大きく高めてくれます。

テクノストラクチャー工法で建てた住宅の事例

画像引用元:パナソニックアーキスケルトンデザイン株式会社(https://panasonic.co.jp/phs/pasd/pb-techno/technohouse/10.html)

かのパナソニックグループのハウスメーカーが開発したことで知られるテクノストラクチャー工法。木造をベースとしながら、木と鉄材を組み合わせた「テクノビーム」という複合梁を用い、また柱にも圧縮強度の高い木材を厳選。その上で構造計算も行い、耐震強度を数字で証明するという方式です。

それゆえ、木造ならではの風合いやコストを実現しながら、高い自由度も実現。1階フロアに広い開口部が必要となるガレージハウスも、テクノストラクチャー工法であればお手の物としています。

画像引用元:パナソニックアーキスケルトンデザイン株式会社(https://panasonic.co.jp/phs/pasd/owner/jirei01.html)

また、テクノストラクチャー工法はあくまでも木造でありながら、建物の強度を大きく向上できるため、一般の住居だけでなく、アパートなどの集合住宅や店舗併用住宅、公共施設などの事例も多数。

例えばこちらは、1階部分を、学童施設。2階と3階部分を賃貸住宅としたもの。一般的には、この規模の物件は鉄骨造でなければ対応できないケースが多いのが実情ですが、強度に優れたテクノストラクチャー工法ならではの真骨頂を発揮しています。

画像引用元:パナソニックアーキスケルトンデザイン株式会社(https://panasonic.co.jp/phs/pasd/owner/jirei01.html)

その一方で、テクノストラクチャー工法は木造軸組み工法をベースとしているので、自由設計に対応。狭小地や変形地などでも、敷地を最大限に活かした物件建設に対応できるとしています。

こちらの事例では、119平方メートルの敷地ながら、メゾネットタイプとすることでLDKを設置し、小さいお子さんのいるご夫婦にも適した4世帯の賃貸住宅としたという事例になります。

スーパーウォール工法で建てた住宅の事例

画像引用元:シュウハウス工業株式会社(https://www.shu-house.com/works/w057/)

スーパーウォール工法は建築部材や生活用品などを幅広く手掛けているLIXILが手掛けているもの。簡単に言えば、木造軸組み工法をベースとしながら、硬質ウレタンフォームによって製造されたスーパーウォールパネルを組み合わせることで、軸組み工法とモノコック構造のいいとこ取りを実現したもの。壁・床・天井が一体化するので揺れを面で受ける構造となり、耐震性が向上。気密性や断熱性も大きく向上します。

それゆえ、間取りや大開口部の設置などの自由度も高まります。例えばこちらは、1階玄関横に、ビルドイン方式のバイクガレージを設けた事例。強固なモノコック構造ゆえに、大開口部を設置するのはお手の物と言えます。

画像引用元:シュウハウス工業株式会社(https://www.shu-house.com/works/w056/)

室内空間のレイアウトにおいても、建物を面で支えるスーパーウォール工法は、間取りの自由度を大きく向上させます。こちらの事例ではリビング階段をスケルトンレイアウトとし、2階部分を拭き抜けとすることで格別な開放感を演出。それでいて、キッチンとの境目部分に、木目の飾り柱を設置する遊び心も見せています。

画像引用元:シュウハウス工業株式会社(https://www.shu-house.com/works/w029/)

こちらは2階にはベランダ、玄関横には屋外への出入りが可能な大開口部、側面には小ぶりなウッドデッキと室内を繋ぐ開口部を設けているという事例になります。建物の強度に限度があるという場合には、窓の大きさや個数、配置に制限が課せられてしまうということも珍しくありませんが、軸組み工法とモノコック構造のいいとこ取りであるスーパーウォール工法では、そうした制約は杞憂です。

JGS-Ⅱ工法で建てた住宅の事例

画像引用元:株式会社 サトー住販(https://jyuuhan-chumon.com/case/article463/)

JGS-Ⅱ工法は山形県寒河江市の株式会社サトー住販によって開発・提供されている工法。木造軸組み工法をベースとしながら、木材の接合部分にはメタルジョイントを用い、外断熱・耐震壁パネル・剛床と組み合わせる方式により、耐震等級3を実現できるとアピールされています。

こちらはホワイト外壁にレンガ調のアクセントが印象的なモダンスタイル。薪ストーブ用の煙突やリビング部分の拭き抜けなども制約を受けることなく、自由に設置されているとのことです。

画像引用元:株式会社 サトー住販(https://jyuuhan-chumon.com/case/article479/)

こちらは総勢6名のご家族が暮らす2世帯住宅。延床面積185.25㎡、5LDKKプラス和室という、比較的規模の大きな住宅となっていますが、サトー住販の提供するJGS-Ⅱ工法であれば、この規模の住宅でも耐震等級3の取得が可能であるとアピールされています。

その上で、大家族のための収納を充実させたり、子ども部屋を将来を見据え間仕切り可能な方式とするといった心遣いも発揮されています。

画像引用元:株式会社 サトー住販(https://jyuuhan-chumon.com/case/article1521/)

こちらはシックなグリーンの外壁と、ナチュラルな木目の玄関廻りが印象的な北欧スタイル。片流れスタイルの屋根には11.72kwの太陽光発電パネルを設置しており、耐震等級3もしっかりとクリア。リビング階段の下には隠れ収納スペース。階段上部には天井ファンと物干しスペースも設置するといった工夫がなされています。

HEIG耐震金物工法でで建てた住宅の事例

画像引用元:株式会社豊後夢工房(https://www.bungoyumekoubou.com/works/%e6%96%bd%e5%b7%a5%e4%ba%8b%e4%be%8b64/)

HEIG耐震金物工法は全国に加盟店を有するイシン住宅研究所(イシンホームグループ)が、耐震性を向上させるために、考案したものになります。文字通り、木材と木材の接合部分に「HEIG金物」を使用。木材軸組み工法のように大きな穴を開けないので木材の強度低下を防ぎ、連結をより強固にできるとしています。その上で、壁倍率3倍の耐震構造パネルを使った「面構造」と組み合わせることで、耐震性をアップさせているとのこと。

こちらの事例は一見シンプルながら、正面の壁を奥側にオフセットさせたり、大型の開口部や窓を配置したりと、建物の強度を高いレベルで実現した物件であることがうかがえます。

画像引用元:株式会社豊後夢工房(https://www.bungoyumekoubou.com/works/%e6%96%bd%e5%b7%a5%e4%ba%8b%e4%be%8b25/)

こちらは柱のない広々とした空間に、人気のアイランド式キッチンをレイアウト。階段もスケルトン方式としています。LDKスペースを広く開放的にしたいというのは多くの方が望むリクエスト。その実現の方法として、耐力壁で建物の強度を高め、柱をなるべく少なくできるというのは、耐震工法がもたらしてくれるもうひとつのメリットと言えるでしょう。

画像引用元:株式会社豊後夢工房(https://www.bungoyumekoubou.com/works/%e6%96%bd%e5%b7%a5%e4%ba%8b%e4%be%8b21-2/)

そもそも家というものは、正方形かつ立方体の形状が建物として一番安定しています。一方で、形状が複雑になったり、左右非対称の形状となる場合は、より建物の強度を向上させることが不可欠となります。

この片流れ屋根のスタイルも然り。個性的な外観デザインとして人気のスタイルですが、それを実現できているということは、HEIG耐震金物工法もまた、建物強度を向上させていることの証左と言えます。

まとめ

耐震工法を用いて家を建てるということは、文字通り建物の耐震性を高め、大きな安心を得られるということですが、加えて上記の通り、間取りやデザインの自由度をより高めることができるということでもあります。

そもそも注文住宅というものは、施主とご家族の夢や理想を叶えることができるもの。どの工法ならば、どんなことが可能になるのかをしっかり理解した上で、実際に施行を行う工法を選ぶことが大切です。

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先細りしていく住宅市場において、工務店・住宅会社が利益を確保するためには、何を武器に自社の強みを打ち出していくのか、他社とどう差別化していくのかを明確にし、施主にアピールすることが重要です。ここでは、工務店が加盟できる耐震性に優れた工法を提供している会社の中から、加盟店数が多かった支持されている3社を紹介します。