工務店経営における資金繰りが難しい理由と、資金繰りに関する注意点を解説します。
新築住宅の建設においては、建築費用をすぐに受け取れるわけではありません。一般的に建築費用は3回にわけて受け取ることになり、すべての費用を受け取れるのは住宅が完成したときです。そのため建設期間が長期化すると、費用を回収できない期間が長引くことになります。
費用を回収できない期間中の「立て替え」が生じることが、工務店経営における資金繰りの難しさとなっています。
住宅の建設が終わらなければ建築費用を回収できないサイクルは、受注数が増えるほど負債が増えることを意味します。受注数が増えることは、最終的には利益があがることにつながりますが、建設中の負債が増えることから資金繰りの難しさは増します。
工務店経営の資金繰りが難しいことは、予算粗利と実績の差異が生じやすいことにも理由があります。事前に予算粗利を算出したとしても、資材の追加、工期延長などにより予算から差が生じることも少なくありません。そのため想定していた粗利額が異なり、資金繰りに狂いが出てくることもあります。
工務店経営の資金繰りをスムーズにするには、入金・出金のサイクルを柔軟に変更することが効果的です。たとえば入金サイクルを早くして、出金サイクルを遅くすれば資金繰りがうまくいく可能性が高まります。
ただし資金繰りが難しくなってから支払いのサイクルを変更することは、取引先との関係性悪化につながります。資金繰りに余裕があるうちに変更してもらえるよう、対策を行うようにしたいものです。
資金繰り表は工務店経営の資金繰りにおいて、資金の状況を把握するために効果的なものです。資金繰り表を作成すると、1ヶ月の間に資金が不足するタイミングを把握しやすくなります。
まずは3カ月分の資金繰り表を作成してみてください。繰越残高、売上金回収状況、借入金残高、全体の収支、設備投資などに3ヶ月間で作成すれば、短期間で資金が不足するかどうかを判断できるはずです。
着工から費用回収までに時間がかかる工務店経営では、短期間での資金繰り対応をあらかじめ考えておくことが欠かせません。銀行融資、ファクタリングなどが考えられますが、銀行融資の場合は審査に時間がかかることもあります。ファクタリングであれば比較的スピーディーです。
ただしファクタリングには手数料が高いデメリットがあります。状況に応じて使い分けられるよう、事前に資金繰りへの対応方法を考えておきましょう。
工務店の経営では、入金までの期間が長いことから資金繰りが難しい一面があります。しかし資金繰り表や融資を上手に活用すれば、資金繰りはより良くなるはずです。また入金・出金のサイクルを柔軟にすることも効果的な方法と言えます。今回の記事を参考にしながら、今一度、資金繰りについて考えてください。
先細りしていく住宅市場において、工務店・住宅会社が利益を確保するためには、何を武器に自社の強みを打ち出していくのか、他社とどう差別化していくのかを明確にし、施主にアピールすることが重要です。ここでは、工務店が加盟できる耐震性に優れた工法を提供している会社の中から、加盟店数が多かった支持されている3社を紹介します。