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木質パネル工法

木造枠組壁工法:
木質パネル工法

木造枠組壁工法:木質パネル
工法の耐震性は?

木質パネル工法は柱ではなく「面」で家を作る、難しい構造計算をしなくても高い耐震性を持てる工法です。耐震性・断熱性・機密性に優れている事からも、南極観測基地の居住棟を木質パネル工法で建てたハウスメーカーもあります。

壁・床・天井が一体化した箱型構造のため、地震などの強い力によるねじれの心配も少なく、水平荷重を建物全体に分散させて建物を変形から守ります。また、耐震性では壁だけでなく、床や基礎も強くなくてはいけません。木質パネル接着工法では、壁の性能を高めるだけでなく、床や基礎の設計も充分に計算されています。

木造枠組壁工法:木質パネル
工法とは

木質パネル工法は、面を組み立てて作る2×4工法・2×6工法と同じ木造枠組壁工法です。床や壁などの構造体を工場でパネルとして生産し、現場で組み立てる工法を言います。

パネルは、格子組フレームにプレス合板を接着して製造しています。ツーバイフォー(2×4)工法と似ていますが、ツーバイフォー(2×4)工法では組み立てに釘を使うので異なります。

また、木質パネル工法では枠材も細かく作られ、断熱材・下地材・電気配線などもセットで作られているといった違いがあります。

木質パネル工法で有名企業では、ミサワホーム、ヤマダホームズ、スウェーデンハウスが挙げられます。ミサワホームでは、高分子接着剤に通常の釘の2倍の接合力があるスクリュー釘を使用しているのが特徴的です。

木造枠組壁工法:木質パネル
工法のメリット・デメリット

工場でほぼ完成し工期が短い

木質パネル工法は、工場でしっかりと管理された状態で製造されるので品質が安定しています。断熱材・下地材・電気配線もあらかじめ工場でパネルに組み込むので、現場を担当する職人によって左右されることもなし。施工のバラツキも少ないです。

しかも、工場で製造するので天気の影響を受けにくく、現場ですべて行うよりも工期が短い傾向にあります。他の工法と比べてみても、その工期には大きな差があります。木造軸組工法は4〜6ヶ月ほど、ツーバイフォー(2×4)工法は3〜4ヶ月ほど、木質パネル工法は2〜4ヶ月ほど。日本の家づくりではポピュラーである木造軸組工法と比べて、約2カ月もの差があります。

雨や土地の形状に注意が必要

断熱材が入った状態で現場に届くため、雨に濡れてしまったり運搬中にズレてしまうことでトラブルの原因になることも。断熱材は一度濡れたらしっかり乾燥させないといけないのですが、そのまま貼ってしまう現場もあり、それが不具合を起こしたり断熱性能を低下させたりします。パネルも薄いので、木痩せによるナットの締め付けが緩むなどの心配もあります。

また、パネルのサイズや、入り組んだ道路や幅が狭い道路などでは運ぶことができず、施工ができないといった事も。パネルは規格化サイズなので、狭小や変形地には向いていないのです。

木造枠組壁工法:木質パネル
工法とツーバイフォーの
耐震性の違い 

パネルが持つ耐力は、普通の耐力壁の4~5倍の耐力を持つと言われており、剛性もかなりの強度を持ちます。ただ、ツーバイフォー(2×4)工法のように釘で留めてしまうと、釘が周辺の木材にめり込んでしまい、それが変形を誘発してしまいます。

加わる力が大きいほど、釘の曲がり具合や抜け出しもひどくなり、壁は柔らかくなっていきます。ところが、木質パネル工法のように接着剤を使用している場合では、多少の変形では硬さが低下しません

複数回の地震で少しずつ建物が柔らかくなるのですが、接着剤では新築時と変わらない硬さを維持しやすいのです。ただ、強くて硬い木質パネル工法ですが、靭性(じんせい)が弱いので、限界に達した際の粘り強さはやや劣ります。

木造枠組壁工法:木質パネル
工法のリフォーム・設計の
自由度は?

木質パネル工法は「面」で支える箱のような工法で、1階から上階に向かって組み立てていくことからも、1階と2階の間や屋根裏に収納スペースを作ることができます。間に収納スペースを挟むことで、上下階の音が伝わりにくくなるといったメリットもあります。

ただ、木質パネル工法は工場で作られた規格化されたパネルなので、細かい要望に対応することができません。ツーバイフォー(2×4)工法のように「面」で作るので壁の配置には制約があり、木造軸組工法のように間取りを自由に決めることはできません。構造体としての意味合いからも、リフォームなどで自由に壁を壊すことも難しいです。

また、木質パネル工法は対応できる業者が限られており、業者ごとに独自の工法を用いていることも。そのため、手直しなどでいじる際には、基本的に建てた業者でしか対応できないといった面倒もあります。長い付き合いになるため、最初の業者選びがとても大事になる工法と言えます。

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