家の強度は箱に例えることができ、箱は側面よりも底のフタ部分がしっかりしていると変形しにくい性質です。家も箱と同じく、底(地盤や基礎、床)がしっかりしていることが耐震性には欠かせない条件となります。
住宅における床は天井にもなりますので、吹き抜けで天井(床)がなくなるのは、床面積を減らして揺れに耐える力に影響を与えることになります。耐震等級2と3レベルでは、床面の強さも加味して判断されているほどです。ちなみに、耐震等級1では床面の強さは考慮されていません。
ただ、建築方法によっては、しっかりとした耐震性をもつ吹き抜けもあります。
モノコック構造は様々な会社で採用されており、2×4工法や木質パネル工法など種類も豊富です。工法によって特徴は様々ですが、共通しているのは柱や梁などの骨組み(フレーム)を使わずに、構造用合板(パネル)で家を作ること。構造用合板を使う事で家の外側を強くし、重さや地震の揺れを受け止めることができるようにしています。
そのため、屋根まで吹き抜けになっている大空間でも、床・壁・屋根と「面」で強固に守られているため、大きな地震にも耐えられる建物にすることが可能です。
ツーバイフォー工法は、壁・床・屋根がそれぞれ1枚のパネル仕様になっており、釘や金物で接合した六面体。パネルの1枚1枚が耐力壁になっており、建物全体で支える構造になっています。
「リクシル」が企画開発した高性能スーパーウォールパネルを使って建てる工法です。構造用パーティクルボードと断熱材を一体化することで壁倍率を高め、さらに、壁倍率2.5倍のパネルと組み合わせ、耐力壁を効率的に配置。揺れを抑える制震仕様パネルで、大きな地震や繰り返す余震から家を守ります。
SE構法は、大規模木造建築物の建築技術を一般住宅にも取り入れられるようにした技術。経験や勘などに頼らない、科学的に算出された確かなデータを基にした新しい構造技術です。
吹き抜けを取り入れた間取りでは、吹き抜けによるマイナス面を考慮し、十分にカバーする全体の部材や金物を構造設計。耐震性が劣らない構造計算を算出し、地震にも強い吹き抜けのある家にしています。
先細りしていく住宅市場において、工務店・住宅会社が利益を確保するためには、何を武器に自社の強みを打ち出していくのか、他社とどう差別化していくのかを明確にし、施主にアピールすることが重要です。ここでは、工務店が加盟できる耐震性に優れた工法を提供している会社の中から、加盟店数が多かった支持されている3社を紹介します。