鉄骨を使用した構造は強く、耐震性にも優れています。木造建築よりも強く、重量鉄骨造より劣る傾向があります。鉄骨なので、折れにくく倒壊のリスクも少ないです。柱や梁をボルトなどで結合するブレースと呼ばれる筋かいが、地震の際に柱は梁が破断するのを予防してくれます。
ただ、建物の揺れに対しては土地や基礎も関係してくるので、耐震性が高いとはいえ注意が必要です。地震の規模や震源によっては被害を受ける場合もあります。また、軽量鉄骨の耐用年数27年間までに設定されているので、経年劣化による耐震性の低下にも注意しておく必要があるでしょう。定期的なメンテナンスをしっかりと施すことが大事です。特に錆に弱いので、防錆などの対策は欠かせません。
軽量鉄骨とは厚さ6mm未満の鋼材のことで、木材よりも軽く、強度が高い性質を持っています。そのため、建物にかかる負担は木材よりも少ないと言えます。軽量鉄骨を使った建築では、一般的にプレハブ工法が採用されています。
プレハブ工法では、現場で生産するのではなく工場で主要部材を生産するスタイルなので、建築部材の生産・加工・組み立てと、工場内である程度完成形に近い形にします。現場では、ボルトやナットなどを使って固定して組み立てるだけです。
その構造は、柱・梁・斜めがけの部材を使用したブレース構造で、木造軸組工法に似ており、木材を鉄骨にかえたぐらいの違いです。ハウスメーカーなどではよく用いられている工法でもあり、注文住宅や賃貸物件で見かけられます。
他の工法と比べてみても、プレハブ工法は木造建築と鉄筋コンクリート造のそれぞれの良い所を採用した方法です。工場で完成形に近い形に仕上げることで作業を効率化し、現場での作業工程をカットするので、建築コストを抑えるだけでなく工期も短く設定できます。
現場にかかる負担が少なく済むので、施工精度も高めることができます。そうしたことからも、プレハブ工法は大量生産と効率化を叶える住宅工業化製品のための工法とも言えます。
そのほかの特徴としては、耐震性能は悪くないものの間取りの自由度や室内・バルコニーなどの重量物積載、耐火性能・耐久性能・耐風性能・遮音性能はあまり良い方ではなく、住宅法定耐用年数は27年までの設定です。
プレハブ工法で使われる部材は、基本的には先端技術のコンピューターやロボットなどを導入した工場で作られています。そのため、職人の技術や経験に左右されにくく、均一で安定した部材で家を建てることができます。
しかも規格化された部材を大量生産するので原価管理がしやすく、部材の単価を抑えることが可能。その結果、建築費用も安く抑えることができます。
また、工場内での作業なので天候に左右されにくく、工期も短く設定できるといったメリットがあります。
長期的に見ると、費用がかかる場合もあります。軽量鉄骨造(プレハブ工法)の法定耐用年数は27年で、22年の木造・合成樹脂造に比べて若干長くなります。47年の鉄骨・鉄筋コンクリート(SRC)・鉄筋コンクリート(RC)に比べると短いです。長く住むことを考えると、初期の建築費用は安く抑えられても、リフォームや修繕など定期的なメンテナンスでコストがかかることになります。
重量物の積載に制限があるので、屋上利用の面で難しくなります。間取りに関しても、工場で大量生産されることからパッケージ化されており、変形地などに合わせにくい面があります。
特に困るのが遮音性の低さです。賃貸物件などでは特に「音」に関しては退去理由にもなるので、壁や床の厚さ、窓ガラスの構造、収納スペースで間を作るなど、遮音性に対しての取り組みが必要となります。
パッケージされていることからも、デザイン面での自由度は低いです。間取りにも制約があり、用意されている一定の形から選択するスタイルが多く見られます。規格から外れたデザインやこだわりのデザインで作ろうとすると、価格が高くなります。そのため、家具や土地の形に合わせた家づくりにはプレハブ工法は向いていません。
また、工場で必要な部材を作る過程において、各企業が開発した独自技術を取り入れていることもあります。そうした場合では、増改築やリフォームなどの際に、建築した会社でないとわからないといった仕様の制約を受けることになります。メーカー仕様の場合では、増改築やリフォームの工事は建てた会社や関連会社に依頼することになるので、おのずと依頼先も限定されることになります。
さらに、家を建てた建設会社に依頼できたとしても、鉄骨系プレハブ住宅では斜めに筋交いが入っているので、これが邪魔になってリフォームが難しくなることもあります。
先細りしていく住宅市場において、工務店・住宅会社が利益を確保するためには、何を武器に自社の強みを打ち出していくのか、他社とどう差別化していくのかを明確にし、施主にアピールすることが重要です。ここでは、工務店が加盟できる耐震性に優れた工法を提供している会社の中から、加盟店数が多かった支持されている3社を紹介します。