国が率先して木材利用に取り組み、
地方公共団体や民間事業者にも取り組みを促す
2010年までは、3階以上の公共建築物は鉄筋コンクリート造(RC造)や鉄骨造(S造)が建築方法としては主流でした。ところが、2010年10月に公共建築物等木材利用促進法が施行されたことにより、建築方法が様変わり。国の方針でも、原則として3階建て以下の比較的小規模な公共建築物は木造で建てると発表。鉄筋コンクリート造や鉄骨造から木造建築へと180度転換される事態に。
こうした背景からも、木造建築を得意とする中小工務店にとって公共建築は、新たな可能性を見出せる市場と言えます。これまでは平屋や3階以下の一般住居での木造建築をメインにしてきたノウハウや経験が、公共建築でも十分に生かせるチャンスです。
今後、新規住宅の着工戸数は減少傾向にあります。この変化は、一般住宅をメインにしている工務店には死活問題。今後は新規戸建て住宅だけをメインにするのではなく、非住宅である公共建築への取り組みも考えた業務範囲の拡大を検討する必要があります。幸い、工務店は鉄筋や鉄骨造よりも木造建築に長けているので、長期優良住宅の普及と共に、公共建築物等木材利用促進法もメリットになりえます。
木造建築に長けているとはいえ、長期優良住宅認定には細かい規定があり、3階以上の公共建築は平屋や2階建てなどの一般住宅とは異なるため、そう簡単に対応することはできません。うかつに手を出すことで、トラブルリスクを高くすることになりかねません。
非住宅への切り替えに不安がある場合は、まずはノウハウのある会社から学ぶとスムーズな参入が可能になります。いわゆるフランチャイズと呼ばれるものですが、加盟することで独自性や一定のルールに従う必要があるのがデメリット。
ある程度自由に、自社の独自性を失わずに技術提供を受けたい場合は、登録制による技術提供もあります。非住宅に対応した登録型の技術提供では、株式会社NCNが提供している「耐震構法SE構法」があります。公共建築に向いているだけでなく、経営上のメリットも持ち合わせています。
株式会社NCNが提供している耐震構法SE構法は、柱と梁、少ない耐力壁で強度を確保する木造ラーメン構造。住宅でも使用されている構造材でコストを抑えつつ、鉄骨造と比べても劣らない強度で大開口・大スパンの設計を可能にしています。全棟に対して構造計算を行っているので、耐震性にも優れ、公共建築にもおすすめの構法です。
柱や梁などを見せるデザインでは、穏やかでやわらかな雰囲気の空間を演出してくれます。木のぬくもりが好まれる店舗や、保育園や幼稚園などの施設にはピッタリです。
木造(在来工法)より強度が高く、
コストコントロールが容易な「木造ラーメン構法」
500㎡を超える規模になると木造ではなく、鉄骨造・RC造を選択するケースが多いと思います。しかし、「木造(在来工法)」と「鉄骨造」の間にSE構法が提供する「木造ラーメン構法」という方法を採用すれば、コスト削減が可能です。木造は鉄骨造よりも軽量なので、地盤改良で杭の数が少なくすんだり、工事が不要になることも。基礎のサイズダウンを見込めるので、予算を抑えることができます。
しかも、木造は減価償却期間が鉄骨造よりも短く設定されているので、年間の経費をより多く計上し節税効果を得ることができます。メンテナンスをしっかりとおこなうことで長期使用が可能になり、資産性もアップします。
SE構法では、強度が高く、高品質のJAS規格の構造集成材を使用。特殊なSE金物で、柱と梁の接合部の断面欠損を従来の在来工法に比べ低減させることで、耐震性をより強固にしています。さらに、特殊な柱脚金物を使い、基礎と柱を直接連結、柱の引き抜き強度を高くしているのも特徴です。 また、法律では義務化されていない木造住宅においても必ず構造計算を実施しています。
SE構法と在来工法、鉄骨造(重量鉄骨造)、ツーバイフォーの工法の特徴を一覧でまとめてご紹介します。
在来工法 | 耐震性 筋交いや金物を使用することで、 より耐震性をあげることができる |
メリット 建物自体が軽いので、地耐力も軽減される |
デメリット 大工の手腕によって仕上がり差がでやすい |
リフォーム リフォームしやすい |
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SE構法 | 耐震性 SE金物を使用、 更に構造計算をしている為、 耐震性に優れている |
メリット ラーメン構造で、デザインの自由度が高い |
デメリット 在来軸組構法と比べるとコストがかかる |
リフォーム スケルトン&フィルでリフォームしやすい |
鉄骨造(重量鉄骨造) | 耐震性 構造計算をしている為、 耐震性に優れている |
メリット 耐震性、耐火性、耐久性に優れている。 ラーメン構造で大空間が可能 |
デメリット 重量があり強固な地盤が必要の為、 コストがかかるケースも |
リフォーム ラーメン構造であればリフォームしやすい |
ツーバイフォー | 耐震性 在来工法と比べると、建物にかかる力が分散されるため、耐震性があがる |
メリット 地震の揺れに強く耐火性がある |
デメリット 在来工法・SE工法に比べ 間取りの自由度は低い |
リフォーム 規格化されているので、 リフォームしづらい |
非住宅分野では瑕疵担保責任保険制度は適用されないので、建設会社には一定のリスクが存在しています。株式会社NCNでは、非住宅向けの保証制度を採用し、これらのリスクを軽減。対象となるのは、SE構法で建てられた4階建て以下、3,000㎡以下の非住宅物件。瑕疵保証金額は最大1億円、瑕疵保証期間は10年間と長期で、基礎及び構造体を対象にしています。SE構法の構造設計から木材調達、施工、引き渡し後の構造性能保証とワンストップで対応しているので、中大規模木造建築に取り組んでいきたい工務店におすすめです。