株式会社シェルターは、山形市に本社を構える事業者です。木質構造部材の研究・設計・製造・販売などを手掛けています。この記事では、株式会社シェルターが提供する工法、同社の特徴などを解説しています。
株式会社シェルターが提供するKES構法は、1974年に誕生した木造建築を対象とする接合金物工法です。「大切な家族の命と財産を守る」というコンセプトのもと同社が開発しました。
KES構法の特徴は、柱と梁・柱と基礎の接合部にオリジナル金物を使用することです。これにより頑丈に緊結する工法をKES構法といいます。具体的には、独自の「引っ掛け部」と「梁受け部」を設けたオリジナル金物を用いることで、強度と施工性を高めています。
ちなみに、KES構法のオリジナル金物には亜鉛溶融メッキを使用しています。海岸地帯屋内で使用した場合の耐用年数は173年以上です。また、KES構法のオリジナル金物は、Sマークも取得しています。Sマークは、公益財団法人日本住宅・木材技術センターが実施する木造建築物用接合金物承認・認定制度で付与されるマークです。具体的には、用途に求められる品質・性能を有し、その性能値を認定した金物に付与されます。
柱を基礎に緊結する点も、KES構法の見逃せない特徴です。これにより、地震の力を基礎に伝え分散するとともに柱のめり込みや割れを防いでいます。
KES構法で建てられた住宅や施設は地震に遭遇しています。宮城県栗原市に建てられた栗駒総合支所は、2008年の岩手・宮城内陸地震(震度6強)を無傷で乗り越え、2011年の東日本大震災(震度7)では現地災害対策本部として活躍しました。
新築住宅着工の減少、大工の職人不足、施主が求めるニーズの細分化など、今後の住宅業界は激しい市場変化が予測されます。このような市場変化に柔軟に対応し、淘汰される時代を生き抜くには他社と差別化を図り、自社が「どのような戦略をとっていくのか」を明確化させることが重要です。そこで、各金物メーカーが提供している金物を使用し、どんな付加価値を顧客に提供できるのか調査!おすすめの金物メーカーをご紹介します。
株式会社シェルターは、KES構法以外にもユニークな技術を開発しています。そのひとつとしてあげられるのが、燃え止まり層に石膏ボードを使用したCOOL WOODです。特徴は、2014年に木造2時間耐火、2017年に木造3時間耐火の国土交通大臣認定を取得していることといえるでしょう。木造耐火技術を活用すれば、これまで鉄筋コンクリート造などを用いないと建てられなかった大規模・中高層の建築物を建てられます。COOL WOODは、地下1階・地上3階建ての山形県南陽市文化会館、純木造4階建ての京都木材会館などに用いられています。
FREE WOODも株式会社シェルターが開発した技術です。FREE WOODは、曲線やひねりを特徴とする部材を指します。FREE WOODの特徴は、三次元木材加工機や設計・加工のアプリケーションソフトを用いて「木材を削り出す技術」を実用化していることです。ひねり形状の加工などを行えるため、デザイン上の制約を取り払える可能性があります。
KES構法は日本全国で使用可能です。各地の協力工場から構造体を出荷する仕組みとなっています。また、建て方に関するサポートも受けられます。具体的な導入方法などは、株式会社シェルターへ確認が必要です。公式サイトなどから問い合わせるとよいでしょう。
先細りしていく住宅市場において、工務店・住宅会社が利益を確保するためには、何を武器に自社の強みを打ち出していくのか、他社とどう差別化していくのかを明確にし、施主にアピールすることが重要です。ここでは、工務店が加盟できる耐震性に優れた工法を提供している会社の中から、加盟店数が多かった支持されている3社を紹介します。