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重量鉄骨工法

重量鉄骨工法の耐震性は?

重量鉄骨造は鋼材が6mm以上と太いので、より頑丈な骨組みを作ることができます。そのため、6mm以下の鋼材を使用している軽量鉄骨造に比べると、耐震性は重量鉄骨造の方が上となります

ただ、鋼材のサイズが大きくなるほど、建物の階数や面積が増えるほど重さは増すので、それを支える地盤がしっかりしていないと、地震の揺れに耐えることができなくなります。

また、基礎が頑丈でないと地震の揺れに対して耐えることができません。いくら骨組みが丈夫でも、土台となる地盤と基礎が重さに耐えうるものでないと意味がありませんので、しっかりと整備された地盤と強固な基礎があることが耐震性を高める条件となります。

ちなみに、重量鉄骨造は耐震性が高いことで知られていることからも、地震保険が木造建築に比べて安く設定されています。また、耐震性は軽量鉄骨造よりも高く評価されていますが、税金の評価額は一緒。固定資産税の評価額も下がりにくいものとなっています。

重量鉄骨工法とは

超高層ビルやマンションの
定番工法

重量鉄骨工法は、マンションやビルなどの頑丈な鉄骨造(S造)の建物に採用されている工法です。軽量鉄骨造では厚さ6mm以下の鋼材を使っていますが、重量鉄骨工法では厚さ6mm以上の鋼材を使っているので強度も高くなっています。柱や梁などをボルトで剛接合することで、超高層マンションやビルなどの建設を可能にしています。

建物の階数によって重量鉄骨と軽量鉄骨とが使い分けされており、一般的には3階建て以上のマンションやビルなどには重量鉄骨が使われています。2階建てまでのアパートや戸建て住宅、小規模店舗などは軽量鉄骨が使われています。重量鉄骨の方が強度が優れています

ちなみに、プレハブ住宅では軽量鉄骨の方が多いですが、近年では重量鉄骨による住宅も増えています。プレハブ工法では工場で柱や外壁パネルなどの建築部材を大量生産するので、品質の均一化とコスト面の抑制、短期工期を可能にしています。

建物の耐久性は錆の有無で決まる

重量鉄骨工法の耐久性は、国税庁が定めた耐用年数から知ることができます。鋼材の厚みによって年数が異なり、3mm未満は19年、3~4mmは27年、4mm以上は34年となっています。ちなみに、国税庁では4mm未満が軽量鉄骨、4mm以上が重量鉄骨と区分しています。この耐用年数は「=寿命」ではなく、建物の資産価値を測る基準としての意味が強いです。

重量鉄骨では錆の発生で耐久性が低下しますので、長く住み続けるなら錆対策が必須。定期的なメンテナンスで錆予防ができていれば、耐用年数以上に長く住むことができます。

重量鉄骨工法の
メリット・デメリット

間取りの自由度と防音性能が高い

重量鉄骨造では、柱と梁を一体化したラーメン構造を採用していることからも、広い空間や吹き抜けなど自由な間取りを設計することが可能です。また、鋼材に厚みがあり、壁も厚くなるため防音性も高いです。マンションなどの集合住宅での住まい探しで、音によるご近所トラブルの心配がある場合は、重量鉄骨造の建物を選ぶと良いでしょう

断熱性が低く火災に弱い

使用する鋼材は木造とは異なり工業製品となるので、品質が安定しており白アリの被害などの心配もありませんが、金属であるため熱を伝えやすく、木造よりも断熱性は劣ります。それゆえ、結露やカビが発生しやすく、熱で変形しやすいことから火災に弱いと言った欠点もあります。これらの欠点は、耐火被覆材や断熱材などを用いてカバーします。

コストや地盤改良に費用がかかる

軽量鉄骨造よりも厚みのある鋼材を使用していることからも、強度が高く頑丈です。その分、材料費が高値になりがちです。

さらに、重さがあるので地盤工事の費用もかかります。比較的軽量で済む軽量鉄骨造は杭が不要になることもありますが、重量鉄骨造では重量が大きくなるので、それに合わせた地盤補強工事が必要。その費用だけで数百万から数千万とかかることもあるほどです。重量が重くなるほど地盤改良にも時間がかかりますので、工期も長くなります。

重量鉄骨工法の
リフォーム・設計の自由度は?

柱・梁・筋交いを使うブレース構造が一般的な軽量鉄骨造では間取りが制限されてしまいますが、重量鉄骨造では自由に設計できるので、広々とした空間を設計することが可能です。その理由は、構造の違いです。

軽量鉄骨造では柱と梁、それに筋交いを使うブレース構造が多くみられますが、重量鉄骨造ではラーメン構造が一般的。ラーメン構造では柱と梁を一体化して筋交いが不要。その結果、柱と柱の間が広く取れるので、広い空間や吹き抜けなどの空間を作ることが可能になっています。ビルトインガレージなども、重量鉄骨造ならではです。

また、リフォームに関しても、間取り変更などのある程度、自由度があります。柱を撤去することはできませんが、かなりの範囲で壁を動かすことは可能です。

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