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ユニット系プレハブ工法

ユニット系プレハブ工法の
耐震性は?

プレハブ工法で建てられた建物は、ラーメン構造の箱型ユニットを組み合わせた住宅なので、通常の木造住宅よりも耐震性が高いと言われています。ただ、その耐震性は鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC)や鉄筋コンクリート造(RC)には及びません。とはいえ、フレームには鉄骨が使われており、安価に建築できる割には得られる耐震性は高いですから、一般住宅を作るのには十分ともいえます。

ただ、経年劣化や腐食がみられるようになると、その耐震性能は著しく下がります。湿度や温度の変化で鉄骨に錆が生じると耐震性が下がってしまいますので、鋼材部分には防錆処理などの錆対策をしておくのが適切。長期的な耐震性の維持には、適切なメンテナンスが必要なのです。

ユニット系プレハブ工法とは

ユニット系プレハブ工法とは、鉄骨のフレームや木材のパネルで構成された、積み木のようなブロック(ユニット)を使った工法。仮設住宅のような簡易的なものではなく、可能な限り部材を工場で生産・加工・組み立てておき、その生産率は80%以上とも言われています。現場ではユニットを組み上げるだけとなります。

一貫した生産供給体制

プレハブ住宅メーカーでは、商品開発から営業、設計、生産、施工、そしてアフターサービスまで一貫した生産供給体制がとられています。優れた技術開発・工場生産品質で、材料の受け入れからユニットの組み立てまで手順を標準化し徹底管理。現場には、床・壁・天井だけでなく、キッチンや浴槽などの設備、内部造作も取り付けられた状態で、専用トラックにて運ばれてきます。

昭和初期頃から見られるように
なった工法

プレハブ工法が日本に広がったきっかけは、昭和初期にドイツの乾式組立構造が紹介されたことからです。1959年に発売された大和ハウス工業の「ミゼットハウス」が有名です。その後、積水ハウスの「セキスイハウスA型」をはじめ、大手ハウスメーカーがこぞって手掛けるようになりました。

当初は「安価で画一的」というイメージがありましが、各社で品質の向上が競われ、今では自然災害にも負けない技術・性能、気候や地球環境も考えた省エネ・創エネ性能などの特徴を兼ね備えたプレハブ工法が確立。素材によってさらに分類されており、ユニット系の他には鉄骨系・木質系・コンクリート系(中低層住宅)があります。

ユニット系プレハブ工法の
メリット・デメリット

均一な品質に天候に左右されない
工期

プレハブ工法のメリットは、徹底した管理のもと、新しい技術を搭載したコンピューターやロボットで、正確・スピーディーに作業がおこなえる事です。部材のカットから組み立てまですべて工場内でおこない、標準化・規格化されているので、その品質は均一で安定しています。

また、天気の影響を考えなくてよいので、短期間での納品が可能。職人による技術レベルの差も影響しないため、常に精度の高い住まいを作ることができます。コスト面においても、工場生産では原価管理がしやすいので、価格が適切に設定しやすく、コスト削減も可能といったメリットがあります。

土地や間取りが限定される

標準化・規格化されていることからも、注文主からのフレキシブルな依頼には対応することができません。決まったパターンでの建築になることからも、柔軟な対応が必要となる狭小地や変形地などには不向きです

また、工場で組み立てて現場に運ぶので、土地と道路の形状から難しい場合もあります。先に述べた狭小地や変形地だけでなく、入り組んだ道路や幅が狭い道路などがある場合では困難です。

ユニット系プレハブ工法の
リフォーム・設計の自由度は?

規格内での設計となるので、基本プランが決まっていることがほとんど。敷地の形状やオーナーのこだわりに合わせた対応は難しいです。規格化された住宅なので、できるだけ安く家を建てたい方向け。細かい部分までこだわった住宅がほしいと考えている方には向きません

また、基本的にリフォームによる間取りの変更はできません。依頼する前にリフォームの対応範囲を確認しておくといいでしょう。プレハブ工法の専門会社に依頼すればできないことはないかもしれませんが、かなり高い技術が必要であり、通常のリフォーム費用よりも高くなることもあります。

独自設計で他企業の介入が難しい

他社への依頼が難しい理由としては、工場での生産体制は各会社によって独自技術を取り込んでいる事が多く、ほぼ完成形に仕上げて現場に届くからです。

間取り変更や増改築などの構造部分に関わる工事には、企業秘密とされている部分もあることから、詳細を知らない他社が対応するには危険。住宅を建てたハウスメーカーやその関連会社に限定されてしまうのです。そのため、ユニット系プレハブ工法での家づくりでは、アフターサービスも考えた業者選びが大切です

ただ、構造体もしくはそれに影響しない箇所、床や壁紙など内装の簡単なリフォームなど、一般住宅と同じく手を加えることは難しくありません。

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先細りしていく住宅市場において、工務店・住宅会社が利益を確保するためには、何を武器に自社の強みを打ち出していくのか、他社とどう差別化していくのかを明確にし、施主にアピールすることが重要です。ここでは、工務店が加盟できる耐震性に優れた工法を提供している会社の中から、加盟店数が多かった支持されている3社を紹介します。