床・壁・天井をがっちり固めてしまう箱型の工法なので、地震には高い耐震性を発揮。4面の耐力壁と床、天井の6面体構造で揺れに対抗します。阪神・淡路大震災や東日本大震災では、2×4工法・2×6工法による住宅の倒壊被害が少なかったという実績もあるほど。ちなみに、2×4工法・2×6工法住宅による被害の要因は、地盤によるものが多いといった調査報告もあります。
2×4工法・2×6工法は、「壁式工法」もしくは「枠組壁工法」とも呼ばれており、欧米で古くから伝わる工法です。決まったサイズの角材を使用することから、この呼び名がつきました。欧米では、特別な理由がない限り2×4工法・2×6工法で建てられるほどポピュラーです。
角材のサイズには2インチ×4インチ、2インチ×6インチ、2インチ×8インチ、2インチ×12インチ、4インチ×4インチとありますが、木造枠組壁工法としての工法や特徴は変わらないので、広い意味で「ツーバイフォー」と呼ばれています。
ちなみに、2インチ×4インチ(ツーバイフォー)と2インチ×6インチ(ツーバイシックス)では、後者の方がより壁板も厚くなる分、強度もアップし、断熱材などもより多く入れられるため、断熱性や省エネ性も高まります。ZEH(ゼッチ/ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)では、ツーバイシックスを採用するのが多いですが、建築コストは高くなります。
木造軸組み工法が柱・梁・斜め材と「線」で構成するのに対して、2×4工法・2×6工法は湯・壁・天井を「面」で構成しています。固く結合した6面体で建物を支えるので、箱のような一体構造。地震に強い耐震性があるだけでなく、すき間なく接合する事で気密性も高くなります。
強固な箱型の六面体構造であることから、地震の縦揺れや横揺れなどの外力を建物全体で受け止め、荷重を全体に分散させてねじれや変形を抑えるなど、耐震性での性能が高いです。阪神・淡路大震災や東日本大震災、熊本地震などでも、2×4工法・2×6工法住宅による被害は軽微です。
また、壁や天井の内側に石膏ボードを貼るので耐火性があり、火が回りにくい構造からも「ファイヤーストップ構造」と呼ばれています。建物全体を断熱材で覆っている事からも断熱性が高い省エネルギー住宅。気密性の高さからも、遮音性も高いです。
構造体に使う部材は建築基準法からJASやJISの適合品と決まっているので、サイズを変えてコスト調整などをすることはできません。坪単価が違っても、構造体にかかるコストは同じとなります。
また、1階の床から始まり、1階の壁・天井、2階の床・壁・天井、そして最後に屋根と、住宅ができるまで時間がかかります。それゆえに、梅雨などの雨の日が多い時期の施工には向いていない工法です。建築会社を選ぶ際には、雨から建物を守るためにどのような工夫がされているのかも確認しておいた方がいいでしょう。雨への対応次第で、完成後の品質が左右されます。
2×4工法・2×6工法は、手順に従って施工するのですが、誰にでも簡単にできるといった単純なものではありません。2ヵ所以上の部分が合わさる箇所への釘の差し込みは、職人としての能力に長けていないときちんと打ち込むのが難しかったりします。実際にはとても複雑なものなので、2×4工法・2×6工法への実績や経験がある、信頼できる建築業者を探す必要があります。
ツーバイフォー工法では、2インチ×4インチや2インチ×8インチ、2インチ×12インチ、4インチ×4インチの角材で枠組みを作り、そこに構造用合板を張ることで建物を支えています。ツーバイフォー工法の特徴である面自体が耐力壁となっているので、大きな窓や大きな開口部を作ることはできません。
また、床・壁・天井と面で支えているので、開口部の位置も制限されてしまいます。そのため、間取りは自由に決めることができず、ある程度の制約がかかったうえでの設計となります。ただ、開口部がない事で、耐震性は高くなっています。
新築だけでなくリフォームにおいても、ある程度の制約があります。大きな穴は開けられず、面がそのまま耐力壁になっていることからも取り除くことができず、抜きたい壁が構造上から厳しいなど、間取りの変更は難しいです。そのため、将来的な増改築にも不向きです。将来的に増改築を検討している場合、ツーバイフォー工法は不向きで、規格化された家づくり向けの工法となっています。
ただ、ツーバイフォー工法は屋根裏の構造がシンプルなので、小屋裏を有効利用する事ができます。小屋裏空間を収納スペースにしたり、屋根勾配を利用して天井を高くするなどの活用方法があります。
先細りしていく住宅市場において、工務店・住宅会社が利益を確保するためには、何を武器に自社の強みを打ち出していくのか、他社とどう差別化していくのかを明確にし、施主にアピールすることが重要です。ここでは、工務店が加盟できる耐震性に優れた工法を提供している会社の中から、加盟店数が多かった支持されている3社を紹介します。