見積もりを出した後に木材や鉄骨の価格が上がり、想定していた利益が目減りしてしまった——そんな経験のある工務店経営者は少なくないでしょう。ここでは資材高騰・為替変動が続く背景を整理したうえで、契約・原価管理の面でどう向き合えばよいかを解説します。
2021年のウッドショック以降、国内の木材価格は高騰し、その後もコロナ禍前の水準までは戻らず、高止まりの状態が続いています。構造用材や集成材を中心に、依然として高値圏での推移が続いている状況です。
木材だけでなく、鋼材・鉄骨・鉄筋といった鉄系材料も、輸入鉄鉱石価格の高水準維持や国内製鉄コストの上昇を背景に高止まりが続いています。加えて、円安傾向が輸入資材全般のコスト増に拍車をかけており、海外依存度の高い資材を使う工務店ほど、為替変動の影響を受けやすい状況です。
最新の木材価格・需給動向は、林野庁が毎月データを公表しています。契約前には最新の動向を確認しておくことをおすすめします。
参照元:林野庁「木材価格・需給動向」(https://www.rinya.maff.go.jp/j/mokusan/ryutsu/kakaku.html)
資材価格の変動リスクを自社だけで抱え込まないためには、契約段階での工夫が欠かせません。
価格転嫁を施主に説明する際は、追加工事の契約トラブルと同様に、価格変動の可能性を契約の時点で明確に伝えておくことが、後々のトラブル防止にもつながります。
輸入材の価格変動リスクを抑える方法として、国産材への切り替えも選択肢の一つです。国産材は輸入材と比べて、為替変動の影響を受けにくく、供給量も比較的安定しているという特徴があります。工期・予算に合わせて資材を確保しやすく、地域とゆかりのある材料を使うことで、地元の施主から親しまれる建物になるというメリットもあります。国や自治体も国産材の利用促進を後押ししており、林野庁・国土交通省を中心に官民での取り組みが進められています。
ただし、樹種や地域によって供給体制・コストは異なるため、取引のある製材業者・木材商社に相談しながら、自社の仕様に合う国産材の選択肢を探ることをおすすめします。
資材価格が変動しやすい時期だからこそ、原価管理の体制そのものを見直す価値があります。案件ごとの原価を正確に把握できているか、見積もり時点の想定原価と実際の発注価格にどの程度の差が生じているかを、定期的に振り返る仕組みを作ることが重要です。利益率の管理という観点からも、資材価格の変動を前提とした原価管理の仕組みづくりは欠かせません。
資材高騰・為替変動は、一時的なものではなく、当面は前提として付き合っていく必要がある経営課題です。契約への価格連動条項の明記、国産材シフトの検討、原価管理体制の見直しという3つの視点から、変動を前提にした仕組みを整えていくことが、利益を守りながら安定した経営を続けるための鍵になります。


先細りしていく住宅市場において、工務店・住宅会社が利益を確保するためには、何を武器に自社の強みを打ち出していくのか、他社とどう差別化していくのかを明確にし、施主にアピールすることが重要です。ここでは、工務店が加盟できる耐震性に優れた工法を提供している会社の中から、加盟店数が多かった支持されている3社を紹介します。