2026年度の税制改正で、住宅ローン減税の内容が大きく変わりました。ただ「変わった」と知っているだけでは、施主から具体的な質問をされたときに答えられません。ここでは制度の変更点を住宅性能の区分ごとに整理し、商談の場でそのまま使える説明の仕方を解説します。
令和8年度税制改正により、住宅ローン減税の適用期間が5年間延長され、2026年1月1日から2030年12月31日までに入居した場合が対象になりました。あわせて、床面積要件が40㎡以上に緩和されています(合計所得金額が1,000万円を超える方、子育て世帯等の上乗せ措置を利用する方は50㎡以上)。
今回の改正の主眼は、省エネ性能の高い既存住宅(中古住宅)への支援拡充にあります。新築住宅についても、住宅の性能によって控除の内容が大きく変わる仕組みは変わらず継続しています。
参照元:国土交通省「住宅ローン減税」(https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk2_000017.html)
新築住宅の住宅ローン減税は、住宅の性能によって次の区分に分かれています。
参照元:国土交通省「住宅を新築したとき・建築後使用されたことのない住宅(分譲住宅、建売住宅)を取得したとき」(https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk4_000325.html)
控除率はいずれも0.7%で共通ですが、借入限度額の差がそのまま最大控除額の差になります。たとえば長期優良住宅と省エネ基準適合住宅では、借入限度額に2,500万円の開きがあり、13年間の最大控除額で見ると数百万円単位の差になり得ます。「同じ0.7%だから同じ」ではなく、住宅の性能区分によって受けられる恩恵が大きく変わることを、まず押さえておく必要があります。
なお、2025年4月の建築基準法改正によりすべての新築住宅に省エネ基準適合が義務化されたため、この基準にすら満たない「その他住宅」の区分は、2023年末までに建築確認を受けた住宅を除き、実質的に新規発生しなくなっています。
特に注意したいのが、区分の中でも最も基本的な「省エネ基準適合住宅」の扱いです。令和10(2028)年以降に入居する新築住宅は、省エネ基準適合住宅のままでは住宅ローン減税の対象外になります。
ただし経過措置があり、2027年12月31日までに建築確認を受けた住宅、または2028年6月30日までに建築された住宅であれば、借入限度額2,000万円・控除期間10年(上乗せなし)という縮小した形で引き続き適用を受けられます。
逆に言えば、ZEH水準省エネ住宅以上の性能で建てれば、2028年以降もこれまでどおりの優遇を受け続けられるということです。省エネ基準適合住宅を標準仕様としている工務店にとっては、今のうちにZEH水準への引き上げを検討する材料になります。
子育て世帯(19歳未満の扶養親族がいる方)・若者夫婦世帯(夫婦のいずれかが40歳未満)については、いずれの区分でも借入限度額が上乗せされます。長期優良住宅・低炭素住宅なら5,000万円、ZEH水準省エネ住宅なら4,500万円、省エネ基準適合住宅なら3,000万円まで引き上げられる仕組みです。
子育て世帯からの反響が大きいテーマなので、若い夫婦の施主には積極的に伝えたいポイントです。
制度の内容をそのまま説明するのではなく、施主の状況に合わせて伝えることが大切です。
金利上昇局面での契約タイミングの伝え方は、別記事「金利上昇に怯える施主の背中を押す住宅ローン提案術」でも解説しています。あわせてご確認ください。
2026年度の税制改正は、単なる延長ではなく、住宅の性能によって受けられる優遇に明確な差をつける内容になっています。自社の標準仕様がどの区分に該当するのか、2028年以降も見据えてZEH水準への対応が必要かどうかを、早めに整理しておくことをおすすめします。


先細りしていく住宅市場において、工務店・住宅会社が利益を確保するためには、何を武器に自社の強みを打ち出していくのか、他社とどう差別化していくのかを明確にし、施主にアピールすることが重要です。ここでは、工務店が加盟できる耐震性に優れた工法を提供している会社の中から、加盟店数が多かった支持されている3社を紹介します。